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文/植木 務(上越市大島区田麦在住)

[2010年12月1日]

<晩秋の狂乱/枯葉天へ舞う>
 木枯らしが声を荒げて一息強く吹くと、ごまんの枯葉が枝を離れて天に舞い上がり、寒空はいっとき狂乱のカンバスになります。春の若葉はどの木々も緑一色だったのが、晩秋は遠目にも輪郭が分かるほど個性的に色付きます。
 ブナは 20-40万枚/本 の葉を付け、壮年の季節は根を育て幹を養い花を咲かせて種を実らせ、晩秋には役割を終え夫々多様に鮮やかに最後を飾ります。そして冬に向かって己を落として幹を守り、地で朽ちて次世代の肥やしになります。
(写真は、ブナ落葉の天空乱舞)

 

<まよいごころ/自分の葬式のこと 3/ 終り>
 日本総人口は年々減少しており、逆に死亡者推計は30年先迄上昇傾向です。過日の「朝日新聞」死生観・世論調査の記事には違和感を感じず、むしろ得心を深めました。私の場合は「簡素な葬い」で良いと思いました。
 私共夫婦の兄弟姉妹は合わせて12人(1人夭逝)、皆の夫婦で20人(他界者含む)、互いに遠く離れて暮らし高齢です。自分の時至らば近親者には「葬」の形を話すべく、知友には事後の通知で理解を貰える ご時世かなと思いました。
 今は、迷いは迷いとして内に留め置き、生活は「質素」に 心は「単純」に、「有縁の絆」にゆるやかに支えられた普段の暮らしの中で、自ずと「まよいごころ」も収斂され落着くであろうと思っています。

 

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