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文/植木 務(大島村田麦地区在住)

[2000年 7月16日]

<森の案内人講座>
16日(週一の休日の日/土日の連休は隔週なのです)、大島村公民館主催の表題の講座に家内と共に参加しました。前夜来の雨も上がり薄日の好天でした。
講師は新潟県の森林インストラクター2名、事務局1名、受講者6名??。
個人指導の様な勿体ない様な、贅沢な講座でした。

フィールドは「菖蒲高原」、標高700m、家から車で30分強。すぐ上の長野県境の尾根近く(約1000m)の雪も無くなり、やっとシーズンインです。ムギ藁帽子に長袖長靴、望遠鏡、カメラ、拡大鏡、メモ用意、あたりが標準装備でしょうか。

草木については、どんな現物の名を聞いても答えて貰った先生には、敬服致しました。聞き止めてメモッた「植物43種」、「水生昆虫、サンショウウヲなど、鳥、虫・・18種」。
聞けなくてメモれなかったものもありますから、「菖蒲高原」は「田麦ブナ林」よりも、生態系が多様で豊かであると感じました。

最も珍しかったものは「オニノヤガラ(鬼の矢幹):ラン科」「寄生植物」。
朽木に寄生(ナラタケと共生)し、自分では炭酸同化作用もせずに、それ故に「葉」も必要としなくなった植物だそうです。会社寄生人間の自分が恥かしくなる様な姿を代行している、こんな植物もあろうとは!

また「マルハナバチ」。丸々として、屈託なさそうですが、年中、花と蜜がないと生きていけない「ハチ」だそうです。緑や花を楽しむ事は、人の勝手だけでなく、他の生物の生を支えている事にもなっている訳です。

<カールさん、こんにちは>
上記の日の午後、私の勤務先上司の父君の御案内で、家内と共にカールさんのお宅を訪れました(オフィスは多分東京)。カールさんはドイツ人で、日本庭園の設計匠。両国を行き来している多忙なビジネスマンだそうです。

「田麦」から車で20分程の「竹所部落」に、カールさんの「日本宅」があります。そこから少し離れた所に、更に「別宅」がいま新築中でした。
何れも「村内の旧茅葺き農家」を、改築または改造されたものの様です。
家周りは雑草もそのママに繁らせており、刈る事を嫌うそうで、「自然/じねん」哲学の持ち主と見受けました。

人影も殆ど無いような風の音だけのする裏山、脇には水が流れ、その前は小さな谷と池。庭には複数の「灯籠」「石」などを据えて小川を通し純日本風。
家の屋根や飾窓はドイツ風。外装は骨太の褐色の柱を露にしアントアネットイエローのヨーロッパ調の色壁。双方馴染んで絵になる美がありました。

アポイントも無く訪れたことをお詫びして、中世の城の様なドアの玄関先で失礼しました。何時の日か又訪れたい、お招きしたいと、思いました。

<滝の情報です>
実は大島村の「菖蒲高原」に滝があります。
「大滝小滝」というそうです。春先の雪解け水の多い頃は「大滝」、今頃からは梅雨も終盤で「小滝」でしょう。
前から有る事は知っていたのですが、見たこともなくパンフにもありません。
村のPRパンフに載らないという事は、それ程アトラクテブでないという事なのでしょう。大した事では無さそうです。

でも私は一度見てみたいと思っていました。やっと上記16日の集会の折りに「菖蒲高原」から見て参りした。
一条の、細い白糸が垂れていました。滝の上部は目の高さか少し上。故に7−800mH。半分はここの樹間より見えましたが、下の滝壺は前山の影で見えませんでした。
このビューポイントからは、数百メートル先の情景です。

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