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文/植木 務(大島村田麦地区在住)

[2003年02月16日]

<生きよ!>
      黒煙の中を逃れて出(いで)し時
        「生きよ」 の聖声(みこえ) 耳(じ)だにひびけり
前号(田麦通信030119<心痛む>)に記した御宅が全焼された関西の知人の「歌」です。80歳を超えられた女性です。
 火災中に多量の煙を吸込み、救出されて「救急センター」に入院、過日退院。先日、お便りと共に受けた、短歌、「感想六首」の中の一首です。
「生きよ」 の一言に、心震えました。

<梨の木峠>
 名前が好きなのです。家の近くです。道も狭く、峠近くは舗装もされていません。昔はとも角、今では普段も農作業の人以外は、殆ど誰も通らないでしょう。
 この季節は人の丈を超えることも多い積雪のため、通行は不能です。

<桜坂峠>
 やはり名に惹かれます。「梨の木峠」の北側を、町へと下る県道です。崖の中腹の山襞を縫うように通る危ない道です。極めて曲折多く見通しも悪いので往来は殆どありません。車1台の幅しかないものの幹線につながる旧道です。故に、陽気の良い頃、時には車の窓を開け、緑の風を入れ、小鳥の囀りを聞きながら、ゆっくりと車を走らせる事もあります。「桜」が多い訳ではありません。

<田麦>
 「田麦」の付く地名は各地にあるそうです。この近くにも数箇所あります。その昔、旅人たちが道中の安全を祈願して道祖神などに幣(ぬさ)や祈りを「たむけ」た所から転じて、「たむぎ」になったという説を聞いた事があります。村の外れや峠などに多く残る地名という事でした。

<ツツッピー>
 ヤマガラの声です。2/8、快晴の午後。まだ、か弱く、一声か二声。
加えて又その翌日、裏の枝ばかりのブナの林で、群れる小鳥たちの賑やかな鳴き声もききました。何鳥か私には解りませんでした。小鳥が囀り始めるのは、例年は3月に入ってから。今年は、「春」が早い様な気が致します。

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