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文/植木 務(上越市大島区田麦在住)

[2011年4月25日]

<タムシバの花、桐の枝>
 凍みて硬くなった雪の上は長ぐつのまま歩けます。黒い杉木立を背景に 白い花の タムシバ( モクレン科)が一本凛と立ち、春の陽を受けた 防寒銀毛の蕾が光ります。隣に桐の木あり高さ 7-8m。長くて太い枝が何本も折れて無残に散乱 ! 雪に埋もれて凍結した下枝が 雪の下溜まる力に耐え兼ねて幹から引き裂かれた「枝抜け」です。来年はこの高さ迄の積雪は大丈夫。雪国の木々は冬と苦闘しながら生きています。

<涙なみだの毎日です/今年はひどい>
 雪消しで外に出て少しすれば目から涙・鼻グスリ。戻って玄関前で衣服を叩き、入って手・顔・瞼・喉・鼻孔 を洗浄。外に出る度これを繰り返し就寝中も鼻詰まり。残雪表面は(白くなく)黄ばんで黒ずむ。花粉症になったのは数年前から。
 奴の姿を目で見たい。調べると「丸くてチョボあり 湿気で割れる 大きさ3/100mm」 手持ちの顕微鏡=倍率20 でも見えそうだ。サンプリング 3ケ所、汚れの違う雪面を少し削り シャーレに入れて覗く。何やら大小の粒が五万とある。盆に砂を撒いたみたい。それらしい物は見えるが形までは解らない。この時期は田麦の空も 「何んやかんや」で汚れています。

<田麦の春 2011>
 冬将軍お別れの終章は 春景色との二重唱です。ヤドリギの花期が終わり 薄紫の花弁を開く カタクり ショウジョウバカマ 雪割草、キツツキが幹を叩き カワラヒワ ホオジロが囀り ツバメが戻り ウグイスが鳴き 根開けの早いブナが芽吹き・・、里では種籾を水に浸し 山の麓は雪を割っての苗代作り・・。
(写真は、残雪が所により まだ人の背丈を越える 4/12撮影)

 

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