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文/植木 務(上越市大島区田麦在住)

[2011年6月5日]

<自然ガイド シーズンイン/ 田舎体験 健康志向>
 5月に入ると急に来訪者が増えます。今年も出足は好調のようです。首都圏からの児童生徒さんには、残雪斜面で「尻そり遊び」が好評です。また近年は自然散策や山菜料理を楽しむ大人の方々も緩やかに増えてきた感じです。受入れ側には安全を基本に、体験コースや料理 温泉など 多様で懇切な対応が求められるでしょう。

<老人会・奉仕作業/過疎集落ならでは/老いてもバリバリ>
 集会所で新聞を読み 将棋を指し碁を打つ・・ 私の老人像の一つのイメージでした。当地の老人はそんな事をしていません。今日の恒例行事は 神社・観音堂 広場参道の清掃作業。大木に囲まれた境内の草刈り、90段 120段の急な石段の掃除。豪雪の今年は杉などの落枝落葉が多く、かつ雨降りでの作業。それでも爺婆たち 24人が参集、ビーバー 鎌 箒 ビビラ シャベル・・ を手に 腰を曲げ 笠・カッパを濡らして作業をしました。

<ブナの花/雌性先熟/植物の知恵>
 春未だ浅くブナ林に残雪が厚い頃、気の早い木は葉を開き花を咲かせます。全山一斉と云いたい所ですが木々にも夫々個性あり 開葉のタイミングにも個体差ありです。更に一本の木でも、まず「雌花」が上向きに開き、遅れて雄花が下向きに咲きます。風媒による自家受粉を避ける為と思われます。その個体差・雌雄開花差が「種」の永続に重要な役割を果しているのでしょう。
 恐竜以前から地上に出現し 数億年に亘り 今なお生態系の根幹を支えている、多々「動けぬ植物」たちの、生きざま・知恵活力には 驚きます。
(写真は、ブナの花。上の丸くて柄の短いのが雌花= 雌しべが伸び先が赤い、柄が長く風に揺れ易い雄花、若葉は産毛で防寒。4/29 落枝を撮影 )

 

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