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文/植木 務(大島村田麦地区在住)

[2001年1月4日]

雪の正月、正月の雪
ここ数年、元日でも道路のアスファルトは出ていました。所が入村4年目になるこの正月が、今までで一番の大雪となりました。年末には屋根の「雪下ろし」もしました。でも雪嵩はまだ1m強。暖冬と言われる今年の一月の降雪予報は少な目なので、この線で推移してくれたら有り難いものです。


吹雪の日々
1月の3,4日は吹雪きました。新雪量は日に10−20cmで大したことは無かったのですが、西風が強くて往生しました。
雪はほぼ水平に飛び、一瞬戸惑って逆風となり渦巻き、またもや強く吹き積もった雪の表面 を吹き上げて視界はゼロ、粉雪は、下から上に舞い上がります。枯れ木をザワザワと鳥肌の立つ様な音を立て、カーテンの襞を引く様に雪の風紋を空中に縦に流して景色を一変させます。
田麦の冬は、見ていると飽きない風雪の乱舞が楽しめます。


キツネが通る
山の斜面を削って建てられたこの家の、北に面する二階の自室の窓外はせり上がった裏山に対峙しています。今は雪で真っ白な斜面 に、全ての葉を落としたブナの林が山の上まで見通せます。
キーボードを打っていた目をフト上げると、目の高さ少し上をキツネが通ります。左から右へ。親ギツネまではいかない子ギツネか?アレッ珍しい!
窓枠の右に消えたのでスワッと座を立って窓際へ。するとチョコンと座って後ろ足で首の辺りをコチョコチョと痒き、また腰を起こして右手の向こうへ、ゆっくりと木蔭に消えて行きました。


地震、停電、孫、爺じい
1/1夜、強い地震が有りました。震源地は隣接の高柳町:震度5。1/4、13:18、またもや強震。湯沢近くが震源?5。家のタンスの上のコケシが落ちました。
終戦直後子供の頃よく停電が有りました。今の都会では停電を想像できない若者も多いでしょう。でもこの地方では「停電」は死語ではありません。冬は一度は有ると心がけて置かねばなりません、手近に蝋燭です。この冬も今までに2回ありました。
ちょっとかわって、孫は可愛いものですね。正月に岡山の息子夫婦が孫を見せに来てくれました。車での越路に入ってからの、雪道の道中の多難を廃して。
いつもネット送信の写真では見ているものの、実際に抱いて頬刷りしてあやす中に、これがわしらの「孫」なんだと、可愛さが一段と込上げてきました。「ナア婆さんヨ」「ウン」、と言合う歳になりました。また来年も来て呉れるかナ。

 

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